Arantium Maestum

プログラミング、囲碁、読書の話題

「バーナード嬢曰く。2」読了

まったく期待していないが買ってしまった漫画が予想外にツボった時の至福感といったら。

(以降ネタ紹介含む)

というわけで、「バーナード嬢曰く。2」は私的には掛け値なしの大傑作である。前巻ははじめ「名著に現れる名言とそれに対するシチュエーション突っ込み」といったノリで進んでいき、中盤からだんだん脱線していくも完全には脱却せず、微妙に消化不良な読後感だったのだが。今回はそもそも名言路線をはじめから放棄していて、読書家あるあるネタの宝庫となっている。言ってみれば「今週の早川さん」路線。SF、ミステリ、純文、エンタメとジャンルの違う話をキャラを変えて色々と出しているのも似ている。

そのネタがいちいちツボである。村上春樹との距離感の分類から、今年のSF100選を「あちゃー半分も読んでないよ」という見栄の張り方から、三大奇書の話から、SFのラノベっぽい表紙まで。愛おしい位にわかる。これほど読んで人に無性に紹介したくなった漫画は久しぶり。薦めたい本はたくさんあれども、共有して思いっきり話のネタのして笑いたくなる、そんな稀有な本である。

惜しむらくは紹介するのに適切な知り合いが現在いないことであるが・・・